教授あいさつ

近年、我が国の経済成長の一つの柱として革新的医療機器開発が掲げられ、政府機関を中心とした医療機器産業推進事業が進められています。大分大学では東九州メディカルバレー構想事業に参画し、医工連携・産学官連携による医療・福祉機器開発を推進し、地域産業の活性化とアジアへ貢献する地域づくりを推進しています。

臨床医工学センターは大分大学内でこの中心的役割をはたしてゆくことを使命としています。

このような活動の基本となるのが医工連携・産学官連携の推進です。医工連携、産学官連携はそれぞれの専門分野・業種の間で協力と分担を図り、専門分野・業種の専門知識や技術を提供しあうことと思われがちですが、これでは十分な成果は得られないと思います。

それではなく、異業種間の垣根を越えて、積極的に異業種の世界へ飛び込んで、異業種の専門的知識・技術を学び習得し、異業種間でのディスカッションを行い、これを繰り返すことにより、異業種の融合を成しえて初めて実現すると考えています。

そのためには、医学知識を持った工学研究者、工学的知識を持った医療従事者および、医学と工学の知識を持った企業研究者の人材育成が重要であると考えます。

臨床医工学センターでは、工学者や企業研究者および行政の担当者に対し医学部および臨床現場の敷居を下げ、異業種の融合を図ることで、将来の医療の発展と地域づくりに貢献してゆきたいと思います。

国立大学法人 大分大学
医学部附属臨床医工学センター

教授 穴井 博文